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身体障害者は判り易い方が楽だ。

時時身体障害者の振りをしてみる。
何も周囲を揶揄する事が目的ではなく、身障者の気持ちを想像してみる事が目的である。

暫く前は盲の振りをしてみた。
新宿駅近くの居酒屋を出る処から、我が家のドアを開けるまで目を瞑った儘帰ってみた。
勿論友人に摑まって誘導して貰いながらではあるが。
視覚を放棄すると色色と気づく事があった。
先ず人込みの中は複数の匂いが交じり合っていると云う事。
男性の所謂加齢臭と、女性の香水の匂いと、飲食店が出す食品の匂いなど、様々な匂いが少し歩く毎に変化して往く。
視覚の無い人間にとって匂いは重要な情報だが、街中では其れが混乱して上手く機能しないようだ。
意外な事に、エスカレーターに乗るのは難しくなかった。
何処から乗るのかさえ判れば、降りる時は足元が平らに為るので戸惑う事は無い。
視覚が無くて一番怖ろしいのは駅のホームを歩く事だ。
ホームの両側には電車が往来し、もし下へ落ちればかなりの確立で命を失う。
そしてホームには人が多数往来し、誰とぶつかって跳ね飛ばされるとも知らない。
柵などが無いと思うと、出来る限りホームの上で移動はしたくないと思う。
盲が白杖を突いている理由がやっと分かった。
彼等は自分が盲であることを周知させ、注意を促しているのだ。

人間は前を歩いている人が盲であるかどうかを想像しない。
夜なのに濃い色眼鏡をして、白杖を突いている人を見て、彼を盲だと判断するのである。
色眼鏡も白杖も持って居なければ誰も彼が盲だとは思わないのだ。
其れが怖ろしいと思う。
だから身体障害者は判りやすい方が楽なのだ。
周囲から気を遣って貰えるから。
周囲に対して、自分は此処が不自由なのだと、主張しなければ中中に生き難いだろう。
しかし、出来れば目立たずに普通に暮したいと思う人も多いだろう。
どうすれば彼等の幸福が増大するのか、もう少し考えてみる必要がある。
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by fishybusiness | 2007-03-16 23:59 | 社会